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十代目松本幸四郎さんからメッセージが届きました!
十代目松本幸四郎さんからメッセージが届きました!
川の国埼玉はつらつプロジェクト 雀宮公園の整備完了に当たり十代目松本幸四郎さんからメッセージが届きましたので、掲載します。メッセージは広報よりい令和3年5月号にも掲載しています。
十代目松本幸四郎さんからのメッセージ
寄居町のいずれもさま、ご機嫌よろしゅうございます。松本幸四郎です。
この度は、寄居町長・花輪利一郎様よりお手紙をいただき「雀宮公園」に寄せて一筆添えさせていただくことになりました。まずは感謝申し上げます。
2018年に東京・歌舞伎座にて父が二代目松本白鸚、倅(せがれ)が八代目市川染五郎、私が十代目として松本幸四郎を、三代同時襲名興行としてお披露目させていただきました。私の家は曽祖父にあたる七代目幸四郎より歌舞伎俳優を生業としておりまして、祖父、父も「勧進帳(かんじんちょう)」の武蔵坊弁慶をはじめ、骨太で男気のある役々を勤めております。曽祖父が別邸を構えておりましたご当地が、“憩いの場”として「雀宮公園」が愛され続けていることに私にとりましてもありがたく喜んでいる次第です。
劇場という空間でご観劇の皆様に夢を見ていただくことが役目の我々舞台人は、自然に接することが少ないインドアな生活で、また、東京を住まいにしていると遠くの景色でさえなかなか見ることができません。曽祖父は山や渓流を眺めるのが好きだと私のバイブルでもある「松のみどり」に書いてあります。力強く、そして繊細に歴史を刻み続けている「自然」から舞台を勤める力を養っていたのかもしれません。四季折々に姿が変わる「雀宮公園」がやすらぎの場、出会いの場として「不変」であり続けますように。また、この度の新整備のごとく進化という「可変」が起き続けますように心から祈っております。
曽祖父が眺めていたご当地の紅葉をひ孫である私が眺めたい切なる願いがありますが、その日が訪れるまでは私の家に植えてある“いろは紅葉”を眺めております。
寄居町の皆様にご多幸が訪れますように。
十代目 松本 幸四郎